2019年09月02日

ああ素晴らしきかなVZ-1000、他社には真似できないリーグルのレーザースキャナ

前回更新してからはや5ヶ月
あっと言う間に半年が終わって行きます、、、、、、、、、、、
その間、いったい何をしていたんだろう????
と思うこともありますが、こうしてどんどん加速度的に歳を重ねて行くのですね〜。

今日は昨年導入したリーグル社のVZ-1000のお話を致します。
最近、地上型のレーザースキャナーもスピードが飛躍的に速くなって、1スキャン1分足らずで計測が完了する物もあり、取得できる点数も膨大な量になって来ました。
そうなると、事実上ターゲットを置いてデータをマージする事が現実的ではなくなり、私が20年前から行っている形状合成と言う手法を取らざるを得なくなって来ます。
私が行っていた形状合成は、ターゲットが無いからと言うより、よりレーザースキャナの理論誤差に近づける為に、ターゲットの測量誤差や計測の微細な誤差を打ち消す為に行っていましたが、現在ではターゲットの数を最小限にする為に形状合成を行う事が多くなりました。

リーグル社のVZ-1000も、通常の1スキャンは30秒程で完了し、形状合成は制御するソフトウェアにデフォルトで搭載されていますので、1日400スキャンなんて言う事も可能なのですが、後処理を考えると、、、、、、、

地上型レーザースキャナが高精度になり、計測可能距離もライカから1000mを謳うモデルが出きて、ロングレンジは独壇場だったリーグルの座が危うくなってきた様に感じますが、リーグル社のスキャナは根本的に考え方も造りも違うので、所有すればする程、手放せなくなってしまいます。

そこで、リーグル社のVZ-1000の特徴的な機能を紹介させて頂きます。
1vz-1000計測データ.jpg
これはVZ-1000で計測したダムのデータです。
データが取得出来ていない黒い部分はものの影になっていた部分になります。
2x330.jpg
次にこれはFARO社のX330で計測したデータです。
ほぼ同じ位置から計測しました。
この2機種、VZ-1000はタイムオブフライト、X330は位相差式になりますが、詳細を見るとその違いが良くわかります。

3vz-1000詳細.jpg
これはVZ-1000のデータになります。
手前の手すりがしっかりと計測されており、手摺の陰になっている部分が格子状に抜けています。

4x330詳細.jpg
次にこれがX330のデータです。
手摺は殆ど計測されておらず、その後ろのダム堤体も手摺の部分が格子状に抜けるはずですが、白く囲った部分は全く計測できていません。

これは、位相差式であるが故の現象で、複数の周波数の違うレーザーを照射して、戻ってきた波形で距離を測っている為、綺麗な形で帰って来なかった波形はノイズとしてキャンセルされてしまうので、色んな物に当って帰って来たレーザーはデータとして取得しないのです。
これは表面の状況や色によっても大きく左右されます。
X330で計測を行っていて一番困るのが、近距離で当然計測出来ていると思っていても、後からデータを見ると抜け落ちている事があります。

VZ-1000はタイムオブフライトなので、レーザを照射して帰ってきた時間差で距離を認識しているので、この様な事がないのです。

タイムオブフライトはレーザを照射して帰ってきた時間差で距離を認識するのですが、葉や枝等をかすめながら地面に到達して戻って来ます。
この時、葉に当って戻って来た距離を正とするのか、最後に当った地面のデータを正とするのかは機械は判断してくれません。

そこで、タイムオブフライトには、ファーストモードとラストモードと言うモードが装備されており、地面のデータをより多く取りたい場合は最後に戻って来た距離を正とするラストモードで計測し、構造物等の角を計測したい時は、構造物等に当った最初のデータを正とするファーストモードで計測します。

これらのモード選択は計測を行う前に決定するのですが、VZ-1000は1発レーザーを発射して物にぶつかって反射して来た距離を全てデータとして取得するのです。
5.jpg
これはVZ-1000を制御するソフトウェアの一部分ですが、エコーズと言う部分に
シングル、ファースト、アザー、ラストと4種類のエコーにチェックが入れられる様になっています。
1スキャンすると、データはこの4種類に自動的に分類されて格納されるのです。

6ファースト.jpg
これはファーストエコーで複数の物にレーザが当った最初のデータのみを摘出したデータです。
綺麗に手摺だけがデータとして摘出されています。
7ラスト.jpg
次にこれはラストエコーで、手摺をかすめたデータが堤体に当った物のみが摘出されています。
この2つは同一のレーザーから取得された2種類のエコーデータと言う事になります。

8ファーストラスト.jpg
これは、ファーストエコーとラストエコーを一緒に表示した物になります。

9シングル.jpg
これはシングルエコーで、1発照射したレーザで1つだけ反射してきた物になります。
一番信用度の高いデータと言う事になります。

13反射強度.jpg
これはファースト、ラスト、シングルを同時に表示した物です。
手摺とその裏の堤体が綺麗にデータとして取得できているのは、このマルチエコーによる物です。
この様な機能はリーグル社唯一無二の機能となり、データの扱い方のバリエーションが広がります。
それでは、このデータをスリット状に切り取って見るとどうなるでしょう?

11all断面.jpg
これはファースト、ラスト、シングルを同時に表示しています。
X330では計測すらできなかった手摺ですが、VZ-1000では2本の横棒の様子までしっかりと計測できているのが見て取れると思います。
本来、堤体の壁面に点群が並ぶはずなのですが、白矢印の部分に数点イレギュラーなデータが有ります。
これはラストエコーのデータなのですが、レーザーが複数の物に当ると言う事は、レーザーのパワーもどんどん落ちながら反射すると言う事で、不安定なデータがノイズとして出ていると考えられます。
12クリーニング.jpg
この様なデータを解析に使用しない為に、ラストエコーだけデータから抜いて作業を行う事が出来るのがVZ-1000ならではです。

13反射強度.jpg
これは反射強度を段彩表示した物です。
ターゲットの反射シートが貼り付けてある部分が赤くなっているのが解ると思います。
リーグル社のスキャナは、ソキア(トプコン)の反射シートターゲットを自動求心するので、反射シートの中心を測量しておけば、レーザースキャナのターゲットとして使用できるのも他社と違う所です。
90mm各の反射シートで、今までの経験として最長で800mまで認識するので、他社と比べロングレンジになればなる程、圧倒的に精度が担保されます。

通常のレーザースキャナでは、距離によって反射強度が減衰して行くので、遠くの物はどんどん反射強度が落ちて寒色系になって行くのが普通ですが、VZ-1000の反射強度は距離によって減衰しない様補正をかけるので、波形解析が可能となります。
この画像では、暖色系が反射強度が高く、寒色系が反射強度が弱いのですが、コンクリート構造物で反射強度の強い部分と弱い部分があると言うのは、色による反射率の違い、表面の性状による反射率の違いが考えられます。
表面の性状のよる反射率の違いと言うのは、骨材の露出や表面の湿潤状況、コケの繁殖等が考えられます。

14rgb.jpg
RGBの点群画像と比較すると、黒い部分がすべて反射率が弱いと言う訳ではなさそうなので、表面の湿潤状態とコケ等の付着物が考えられます。

また、この応用として、露岩を計測する事で、花崗岩や泥岩等の反射率の違いによる岩種判定にも役立てる事が可能になります。
葉の反射率と土の反射率、木や枝の反射率も違うので、反射率の違いによってデータを間引いてやれば、地面だけを摘出するデータクリーニングが自動化する事も可能になります。
それがVZ-1000の波形解析なのです。

この様に、各社レーザースキャナを販売していますが、カタログでは表せないデータの取得状況や品質が有り、実際にそれらの特性を理解して計測、解析するのとしないのとでは、仕上がるデータのクヲリティーには雲泥の差が生まれて来ます。
1.jpg

地上型レーザースキャナを20年以上見続けてきて、現在4機のレーザースキャナを所有して計測を行っていますが、リーグル社のスキャナがいつも中心にあって、常にベンチマークになっているのは、それだけリーグル社のスキャナが優れている事を、現場での計測の実体験から感じているからです。

初代のLMS-Z420iが10年以上経った今でも現役で動いていると言う事だけでも、堅牢強固で些細な事でデータが劣化せず、性能的に現在でも通用すると言う証だと思います。

ただ、LMS-420iは40キロ以上あるので、もうこれを担いで山には登りたく無いですが、、、、、、
posted by かおる at 10:57| Comment(2) | TrackBack(0) | 3Dスキャナー

2019年04月11日

ワークステーションのHDD、SSD入れ替え。

毎年4月になると、年度末の忙しさから開放されてホッと一息。
この次期に行う恒例行事は業務で使用しているコンピュータの記憶媒体の入れ替え作業。
システムにはSSDを使用していてクローンを作って入れ替え。
解析データや業務データはDドライブとしてHDDに保存しているので、これはただ入れ替えるだけ。
入れ替えた去年度のデータは、まだ使う事が多いのでGドライブとしてマウントしておきます。

2台でこの作業をするので、毎年4本づつSSDとHDDが増えて行き、ドライボックスの中はHDDが溜まってゆきます。

ただ、この過去のデータもいつ必要になるか解らないので、ずっと保管する必要が有るのです。

HDDの入れ替えの時に1年分のホコリもブロアで吹いて中も綺麗にするのですが、HPのワークステーションは、いつ見ても感心させられます。

IMG_2423.JPG

メモリを刺す場所が16箇所あるとか、2基搭載しているCPUが水冷だとか、そう言う解り易い性能的な部分が優秀なのは当たり前として、、、、、

IMG_2424.JPG

HDDがドライバー無しで簡単に5本まで入れられる様になっていたり、CPUやグラフィックボード、HDDに効率的に風を送る事が出来るように考えられていたり、、、、、
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電源やファンがユニットになっていて、取り外しが簡単に出来る様になっていたり、、、、、、、

凄く細部まで考えられていて、流石MADE IN TOKYO

パソコンはあくまでもパーソナル仕様、ワークステーションは過酷に使われる絶対にミスの許されない業務用

見た目は両方箱ですが、中の違いは凄く大きいな〜と、、、、、、、、

メンテナンスすればする程、ヒシヒシと感じます。





posted by かおる at 20:22| Comment(0) | TrackBack(0) | よもやま

2019年02月01日

FARO SCENEの新しいバージョンは気持ちが良い。

毎年9月〜11月が計測の繁忙期で年が明けると解析業務に追われるはずなのですが、、、、
今年は現場のピークが1末から2月にかけてやって来ました。
今、現場のピークを迎えていると言う事は、納期はどれも年度内なので大変です。
そんな時に、弊社のワークステーションが壊れて解析ができなくなってしまいました。
原因はCPUを冷やす水冷装置
交換しようとネットで値段を見ると、何と10万、、、、、、、、
アマゾンで見ても5万オーバー。
中古ですが程度のよさそうな物がオークションで1万5千円で出ていたので落札しましたが、、、、、、
日曜から出張なので、それまでに交換して、帰って来るまでの5日間、24時間体制で働いてもらいたいので、早く部品が届く事を祈るばかりです。

日曜から昨日までダムの計測の為出張していました。

IMG_0818.JPG

いつも見る静岡からの富士山も綺麗なのですが、山梨側から望む富士山は、天気が良いのも相まって凄く綺麗でした。

今回の業務はUAVによる堤体とその周囲のSfMと図面作成用の為のレーザー計測
IMG_0850.JPG

ドローンを使用して空撮を行い、その後リーグル社のvz1000で全体を計測。
細かな死角になる部分をFocus3Dで補足と言う、非常に贅沢な仕様です。
VZ-1000の計測は非常に早く、3.4分で計測そのものは完了してしまいます。
取得データも非常に綺麗で、LMS Z420iとは比べ物にならない位進化しています。
10.jpg
全20スキャンしたデータはターゲットによって位置合わせを行いますが、これが非常に精度が良く、ターゲットの認識もより正確になったと言う事なのでしょう。
ただ、1つ難点を言えば、ターゲットスキャンが長くて、ここが改善されれば、Focus3Dより1日の計測回数ははかどると思います。

1.jpg

Focus3Dは死角の補備計測で使用しましたが、今回非常に良いデータが取得出来ました。
精度は±2mmなのですが、データが荒れていてノイズも多く、Faro Sceneでは合成がうまく行かない事が多かったのですが、先日sene2019にバージョンアップして、データのノイズも少なくなり、形状合成も非常に良好に行なえる様になりました。

2.jpg

写真計測のソフトウェアも先日PhotoscanからMetashapeと名前が変わり、処理が早くなり、
Faro Sceneもバージョンが上がり、処理速度、データのノイズも少なくなり、、、

解析もどんどんやりやすくなって来るのは非常に喜ばしい事です。

が、

計測が早くなり、綺麗なデータが沢山取得出来る様になれば、解析時に振り回すデータ量もどんどん増え。
よりハイスペックなワークステーションが必要になって来ます。

弊社はそれが仕事なので致し方がないのですが、この膨大な処理されたデータをお客様に納品しても
お客様の環境では見て頂けないと言うのが残念でなりません。

posted by かおる at 16:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 3Dスキャナー

2018年12月30日

本年も御愛顧ありがとう御座いました。

いよいよ平成最後の年末を迎えます。
2018年、本年も変わらぬ御愛顧ありがとう御座いました。
今年も北海道から熊本まで、日本全国でお仕事をさせて頂きました。

例年、12月で計測は一段落して、1月〜3月は、解析と報告書の作成の為事務所に篭る毎日が続くのですが、今年は1〜3月も計測のお話しを頂戴しており、例年に無く忙しく年度末ギリギリまで計測機器を背負って、日本中飛び回る事になりそうです。

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今年、特に印象に残っているフィールドは、天守閣の石垣の計測を数年前に行って、今年、また熊本城の石垣の計測をさせて頂いた事です。
以前見た時は今にも崩れそうだった石垣には、足場が設置され、天守閣は持ち上げられて復興に向かって進んでいるんだと実感しました。

他に印象深かったフィールドと言えば、、、、、、、、、、、、、、、、

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ダム?!

ダムの計測は、お客様から求められる計測成果が多種多様で、その分しっかりとした計画と繊細な作業が要求されるので、印象深いです。

今年は、様々な業種の方からもお話を頂き、今まで足を踏み入れる事も出来なかった場所へ、沢山伺う事も出来ました。

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協業のお話しも多数頂き、弊社の強みである「3次元レーザースキャナーによる計測」と様々な計測手法、設計、施工等を融合させて、新しい価値や強みを作るネットワークの石杖を構築する事が出来た様に思います。

3次元計測に取り組み20年、写真計測・レーザー計測を地道に行って来ましたが、今年は3次元計測の認知度が飛躍的に上がり、本当に多種多様なお話しを頂くようになりました。

来年はそれらが少しづつ実を結んで、今まで見る事が出来なかった景色、今まで立てなかったフィールドに立てたら良いな〜と、ワクワクしています。

2019年も一所懸命、3次元計測に特化して技術に研鑽に励みますのでよろしくお願い致します。




??年始のご挨拶の様になってしまって、年始に書くこと無くなってしまった、、、、、、




posted by かおる at 09:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 3Dスキャナー